くまさんこどもクリニック

木

木

くまさんこどもクリニック

夜尿症

「おねしょ」と「夜尿症」

一般的に、5~6歳までのお子さんが睡眠中におしっこをしてしまうことを「おねしょ」
小学生以上のお子さんが月に1回以上おねしょが3ヶ月以降続いている状態を「夜尿症」と区別します

おねしょの原因
  • 膀胱がまだ小さいため、尿をあまりためられず、寝ている間におしっこがでてしまう
  • 大脳の発達が未熟なため、膀胱に尿が少し溜まるとおしっこがでてしまう

こころと脳の成⾧に伴い自然に治っていくことが多いです

夜尿症の原因
  • 睡眠中に作られる尿が多く(平均200ml)、あふれてしまう(抗利尿ホルモンの分泌が不十分)
  • 膀胱が小さく貯められる尿の量が少ないため、あふれてしまう(夜尿症の1/3がこのタイプです)
  • 尿意を感じても目が覚めないので、眠りながらおしっこがでてしまう
  • 生活リズムの乱れや、心配事やストレスを抱えていることも夜尿の原因になります

なかなか改善しない夜尿の場合、なにか病気がかくれている時があります

考えられる病気・症状

  • 腎臓病、尿路感染症、尿崩症、過活動膀胱、便秘症、ADHDなど

お子さんの「おねしょ」のことでお困りのことはありませんか??

お子さんの「おねしょ」のことでお困りのことはありませんか??

おねしょが自然に治るタイミングはひとりひとり違いますが、小学生になっても自然に治っていないときは一度ご相談ください

ご心配事あればご相談ください 夜尿専門の医師がしっかりと診察を行います

  • 問診(ご記入のチェックシートに基づいてお話をうかがいます)
  • 尿検査(夜尿症の原因として、病気が隠れていないかをチェックします)
    ※必要に応じてエコー検査を行うこともあります
  • 診断と治療方針の提案(夜尿症と診断を受けたら、治療を始めましょう)

夜尿症のお子さん(5歳~15歳)は約80万人

小児では、アレルギーについで2番目に多い慢性疾患と言われています

おねしょ・夜尿症は「人に言えない」「知られたくない」ことかもしれません
でもおねしょ・夜尿症は決して珍しいことではありません
実は多くのお子さんやご家族が悩んでいます
おともだちも秘密にしているだけで、もしかすると悩んだり治療しているかもしれませんよ

治療を行うと夜尿症は改善します

「親の育て方」「その子の性格」が原因ではありません
しっかり向き合って、あせらずゆっくり改善(治療)していきましょう

夜尿症の治療

夜尿症の治療は主に生活指導を中心に行い、必要に応じて薬物療法・アラーム療法なども用います
治療方法は「夜尿のタイプ(多尿型・膀胱サイズ型・混合型・覚醒型)によって異なります
お子さんがどのタイプの夜尿症なのかをしっかり見極めることが大切です

生活指導
おねしょ日記をつけていただきます。
おねしょの状況(回数・尿量・朝起きてトイレで出た尿量・夕食後の水分摂取量など)を記録しお子さん自身で認識し、生活改善を試みながらおねしょの回数を減らせるようにしましょう
薬物療法
生活習慣の改善を試みてもなかなか症状に変化がない場合には、お薬を用います
抗利尿ホルモン薬などを使って、夜間の尿量を調整します
アラーム療法
パンツに小さなセンサーを装着します。
尿でパンツが濡れるとアラームや振動でおねしょを認識させる治療法です

夜尿症の治療・改善における生活習慣のみなおし

夜尿症が⾧く続くと、お子さんの生活の質が悪化することも考えられます
夜尿症の治療では、身体的にトラブルがなければ(病気などでなければ)
まず、生活習慣を見直して「夜尿症になりやすい環境の改善」を数か月行うことから始めます
規則正しい生活を送ることで約20~30%のお子さんのおねしょが改善されるといわれています

夜尿症を改善する規則正しい生活
  • 早寝早起きを心がける
  • 寝る2~3時間まえまでに夕食を済ませる
  • 夕食後~寝る前の水分は控えめにする(日中の水分は控えなくてOK)
  • 寝る前にトイレに行く
  • 1日3食、なるべく決まった時間に食べる
  • 朝ごはんを抜かない
  • 塩分の過剰な摂取を控える
  • 体が冷えないようにする(腹巻・レッグウォーマーなどを使う)
  • 便秘にならないように心がける(便秘の場合は便秘治療も同時に行う)
  • 牛乳の飲みすぎにも注意が必要です。
    牛乳の成分が抗利尿ホルモンの分泌を妨げてしまう可能性があります。
    1日500mlくらいまでにしておきましょう
トイレに行きやすい住環境を整える
「トイレが遠い」「トイレまでの道のりが暗くてこわい」などトイレに行きにくい環境はありませんか??
夜でもトイレに行きやすくなるよう、通路を明るくしてみるなどしてみるとよいかもしれませんね